たった60秒で完了
売却後の
手取り額を
無料査定
60秒で「売却後の手取り額」を診断 今すぐ無料査定を行う
財産分与

【財産分与】離婚時の財産分与で損しないために抑えておくべきこと~2026年4月1日改正民法施行~

目次

はじめに

離婚を決意するとき、多くの方が精神的な疲弊と将来への不安を抱えながら、さまざまな手続きに追われます。なかでも「財産分与」は、その後の生活の基盤を大きく左右する重要な問題です。特にご夫婦が婚姻中にマイホームを購入していた場合、不動産の取り扱いが財産分与の中心的な課題となり、判断を誤ると大きな経済的損失につながる可能性があります。

さらに、2024年5月に成立した「民法等の一部を改正する法律」が、2026年4月1日に施行されます。この改正では、共同親権の導入や養育費に関するルール整備のほか、財産分与に関しても重要な見直しが行われており、離婚を考えているご夫婦にとって事前に把握しておくべき内容が含まれています。

本コラムでは、不動産売却専門の仲介会社として日々多くの離婚に伴う売却案件をサポートしてきた経験をもとに、財産分与の基本的な知識と今回の法改正のポイント、そして不動産を「損せず」分与するための実践的なアドバイスをお伝えします。離婚という人生の大きな局面で、できる限り公平かつ円満に財産を整理していただくための一助となれば幸いです。

1.財産分与とは何か――基本を押さえておこう

財産分与の定義と目的

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚に際して公平に分け合う制度です。民法第768条に「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」と規定されており、夫婦のどちらも権利を持ちます。たとえ離婚の原因を作った側(有責配偶者)であっても、財産分与を請求する権利は失われません。

財産分与には主に次の3つの要素があります。

清算的財産分与:婚姻期間中に夫婦が協力して形成・維持した共有財産を、名義に関係なく公平に分配するもの。最も基本となる考え方で、原則として2分の1ずつ分け合います。

扶養的財産分与:離婚後に経済的な自立が困難な一方の配偶者を保護するため、生活費相当分を補充的に認めるもの。

慰謝料的財産分与:不倫やDVなど離婚原因を作った側が、慰謝料の意味合いを含めて財産を上乗せして分与するもの。

財産分与の対象となる財産(共有財産)

婚姻期間中に夫婦が協力して得た「共有財産」が分与の対象です。名義がどちらであるかは関係ありません。主な対象財産は以下のとおりです。

  1. 婚姻後に購入した不動産(マイホーム・土地など)
  2. 婚姻後に貯めた預貯金・現金
  3. 有価証券・株式(婚姻後に取得したもの)
  4. 婚姻期間中に対応する退職金(将来支給予定のものも含む場合あり)
  5. 解約返戻金のある生命保険・学資保険
  6. 自動車・家財道具
  7. 企業型確定拠出年金(iDeCoを含む)

一方、以下は「特有財産」として財産分与の対象外となります。

  1. 婚姻前から保有していた預貯金・不動産
  2. 婚姻中でも親から相続・贈与で受け取った財産
  3. 婚姻前に取得した生命保険の解約返戻金(婚姻前の部分)

2.2026年4月1日改正民法の財産分与に関する主な改正点

2024年5月に成立し、2026年4月1日に施行される改正民法では、共同親権の導入や養育費の法定化などが広く注目されていますが、財産分与についても実務上重要な改正が3点行われています。

改正点改正前(現行法)改正後(202641日〜)
①財産分与請求期間離婚成立から2年以内離婚成立から5年以内
②考慮要素の明確化規定なし(解釈・慣行に依存)清算的要素・扶養的要素を条文で明記
③情報開示命令の新設なし家庭裁判所が財産情報の開示を命令可能(過料あり)

改正点① 財産分与請求期間が「2年」から「5年」へ延長

これまでは離婚成立後2年以内に家庭裁判所に財産分与を申し立てなければなりませんでしたが、改正後は5年以内に延長されます。「とりあえず離婚だけ先にして、財産分与は後で」と考えているうちに期限が過ぎてしまうケースが社会問題となっていたことを受けた改正です。

【重要】この請求期間の延長は、2026年4月1日以降に離婚が成立した方に適用されます。2026年3月31日以前に離婚が成立している場合は、たとえ新法施行後であっても従来どおり「2年以内」が適用されます。現在離婚協議中の方は、離婚届を提出するタイミングにもご注意ください。

改正点② 財産分与の考慮要素の明確化(民法768条3項)

改正後の民法768条3項では、財産分与の目的が「離婚後の当事者間の財産上の衡平を図るため」であることが明文化され、考慮すべき要素として清算的要素と扶養的要素の2つが条文上に明記されます。

特に注目すべきは、清算的財産分与の対象として「当事者双方がその協力により取得した財産のみでなく、双方の協力により維持された財産も含まれる」と明確化された点です。例えば、一方の相続財産(特有財産)であっても、もう一方の日常的な管理・維持への貢献があれば、その貢献度合いに応じた清算の対象となりえます。不動産評価において重要な視点となります。

改正点③ 財産情報開示命令の新設

財産分与を請求する側が、相手方の財産状況を正確に把握できないという問題は従来から指摘されていました。改正法では、家庭裁判所が財産分与の審理にあたり、当事者に対して財産情報の開示を命じることができる制度が新設されます。正当な理由なく開示を拒否した場合は、10万円以下の過料が科せられます。

この制度により、相手方が財産を隠匿することへの抑止力が働き、より公正な財産分与が実現しやすくなると期待されています。なお、この情報開示命令は財産分与だけでなく、婚姻費用や養育費の審理にも活用されます。

3.不動産(マイホーム)の財産分与――3つの選択肢

離婚における財産分与で最も複雑かつ重要なのが不動産の取り扱いです。マイホームは夫婦の共有財産の中でも最大の資産となることが多く、その処理方法によって双方の財産状況が大きく変わります。選択肢は大きく3つに分かれます。

選択肢① 売却して現金で分け合う(最もトラブルが少ない)

不動産を第三者に売却し、売却代金からローン残債・諸費用を差し引いた手取り金額を2分の1ずつ分け合う方法です。最も公平かつシンプルで、後のトラブルを防ぎやすい選択肢です。

  1. メリット:現金化することで明確に分け合える。離婚後の元配偶者との関係が完全に清算できる。
  2. 注意点:売却活動には通常3〜6ヶ月程度かかるため、離婚手続きとのタイミング調整が必要。売却代金を分けるのは離婚成立後に行うことが原則(詳細は第6章参照)。

選択肢② 一方が住み続け、代償金を支払う

子どもの転校を避けたい場合など、どちらか一方が引き続き居住し、不動産の評価額の2分の1相当の現金を相手方に支払う方法です(代償分割)。

  1. メリット:生活環境を維持しやすい。
  2. 注意点:不動産の時価評価が必要。住宅ローンの名義変更・借り換えが伴う場合が多く、金融機関との交渉が発生する。代償金の支払いが履行されないリスクへの備えも必要。

選択肢③ 共有名義のまま保有する(推奨しない)

離婚後も共有名義のまま所有し続けることは、将来のトラブルの火種となるため原則お勧めしません。相手方の同意なく売却できない、相手方に相続が発生した場合に第三者と共有になるなど、さまざまなリスクが生じます。

4.離婚時の不動産売却で「損しない」ために押さえるべきポイント

ポイント① まず不動産の「正確な時価」を把握する

財産分与の基準となる不動産の価値は、購入時の金額でも固定資産税評価額でもなく「離婚時点での時価(市場価格)」が原則です。不動産市場は常に変動しており、購入時より価値が上がっている場合も下がっている場合もあります。複数の不動産会社に査定を依頼し、実勢価格を正確に把握することが公平な財産分与の出発点です。

ポイント② 「特有財産」分を正確に計算し、主張する

購入資金の一部に婚姻前の貯蓄や親からの援助(贈与・相続)を充てていた場合、その部分は「特有財産」として財産分与の対象から除外されます。例えば、4,000万円の物件購入時に親から1,000万円の援助を受けていた場合、その1,000万円分の割合は財産分与の対象から差し引かれます。資金の出所を示す通帳記録や贈与の証拠を保管しておくことが重要です。

ポイント③ 売却活動は離婚前から、代金分配は離婚後に

マイホームを売却して財産分与する場合、売却活動や売買契約の締結は離婚前から進められますが、代金の分配は離婚成立後に行うことが原則です。離婚成立前に代金を分けてしまうと「贈与」とみなされ、高額の贈与税が発生するリスクがあります。不動産会社・税理士と連携し、スケジュールを慎重に組むことが大切です。

ポイント④ 感情的にならず、不動産の名義・ローン状況を先に確認する

離婚時に感情的なもつれから、名義や残債の確認が後回しになるケースが見受けられます。売却できるのは原則として名義人のみです。共有名義の場合は双方の協力が必要です。まず登記事項証明書(登記簿謄本)で所有者名義を確認し、金銭消費貸借契約書でローンの名義・残債・連帯保証人の有無を確認することが最初のステップです。

5.住宅ローンが残っている場合の注意点

アンダーローンとオーバーローン

アンダーローン(売却価格 > ローン残債):売却代金でローンを完済し、残金を財産分与します。最もシンプルなケースです。

オーバーローン(売却価格 < ローン残債):不動産は財産分与の対象とはならず、ローン残債の取り扱いについて協議が必要です。任意売却や競売という選択肢もありますが、まずは専門家に相談することをお勧めします。

連帯保証人・連帯債務者の問題

共働き夫婦に多い「連帯債務型」や「連帯保証人型」のローンは、離婚後も法的な責任が継続します。離婚したからといって自動的に連帯保証人から外れることはありません。ローンの名義変更や借り換えについて金融機関と交渉し、確実に名義を整理しておくことが重要です。放置すると、離婚後何年も経ってから元配偶者の返済不能を理由に多額の請求が届くケースがあります。

6.離婚に伴う不動産売却と税金

財産分与で受け取った不動産・現金への課税

財産分与として受け取った財産(不動産・現金)は、原則として贈与税の対象にはなりません。ただし、社会通念上著しく多額な財産分与や、明らかに贈与税・相続税逃れを目的とした場合は例外的に贈与税が課される場合があります。

売却益への譲渡所得税と3,000万円特別控除

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税・住民税(譲渡所得税)が課税されます。税率は所有期間によって異なり、5年超の場合は約20%(長期譲渡)、5年以下の場合は約39%(短期譲渡)となります。

ただし、マイホームの売却には「居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)」が適用できる場合があります。この控除は、離婚後に売却する場合(元配偶者は「第三者」とみなされる)に適用しやすく、節税効果が大きい制度です。具体的な適用可否については、必ず税務署または税理士にご確認ください。

【税金の注意点】 離婚前に一方の配偶者に不動産を贈与すると「贈与税」の対象になります(配偶者控除の特例で2,000万円まで非課税となる場合もあります)。財産分与と贈与は法的に異なる取り扱いとなるため、「離婚前に財産分与として名義変更する」ことは税務上リスクがあります。登記のタイミングは専門家に確認しながら進めることを強くお勧めします。

7.財産分与を公正に進めるための手続きと書類

離婚協議書(公正証書)の作成

財産分与の内容が決まったら、口約束ではなく必ず「離婚協議書」として書面化し、できれば公証役場で「公正証書」にしておくことをお勧めします。公正証書にすることで強制執行力が生まれ、相手方が合意した内容を履行しない場合に裁判なしで財産の差し押さえができます。

協議がまとまらない場合は調停・審判へ

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「財産分与請求調停」を申し立てることができます。改正後は離婚成立から5年以内(改正前の離婚は2年以内)の申立てが必要です。調停でも解決しない場合は「審判」となり、裁判官が内容を決定します。

準備しておくべき主な書類

  1. 登記事項証明書(不動産の所有者・抵当権を確認)
  2. 金銭消費貸借契約書(住宅ローンの契約内容・残債を確認)
  3. 通帳・口座残高証明書(預貯金の把握)
  4. 不動産会社の査定書(時価を把握)
  5. 源泉徴収票・確定申告書(収入状況の把握)
  6. 保険証書・解約返戻金試算書(保険資産の把握)
  7. 頭金の出所を示す書類(特有財産の立証)

8.まとめ――早めの相談が「損しない」離婚への第一歩

離婚時の財産分与、特にマイホームの取り扱いは、感情的になりがちな局面でこそ冷静な判断と専門的な知識が求められます。本コラムで解説した内容を改めて整理すると、以下のとおりです。

  1. 2026年4月1日施行の改正民法により、財産分与の請求期間が2年から5年に延長される(ただし施行日以降に離婚した場合のみ)。
  2. 財産分与の考慮要素が明文化され、特有財産への貢献も清算の対象となりうる。
  3. 家庭裁判所による財産情報開示命令が新設され、財産の隠匿への抑止力が強化される。
  4. 不動産の財産分与は「時価」で評価し、特有財産分を正確に計算することが重要。
  5. 売却活動は離婚前から、代金の分配は離婚後に行うことで贈与税リスクを回避する。
  6. 住宅ローンの名義・連帯保証の整理を確実に行う。
  7. 合意内容は公正証書として残しておく。

離婚という人生の転機において、マイホームを含む財産を「損せず」「公平に」整理するためには、早い段階から不動産会社・弁護士・税理士といった専門家チームと連携して進めることが何より大切です。

私ども「うるラボ」は、離婚に伴う不動産売却のご相談を数多くお受けしてきた専門会社として、売却価格の最大化はもちろん、手続きのタイミングや税務上の注意点も含めてトータルにサポートしております。「まず不動産の価値を知りたい」という段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。秘密厳守で対応いたします。

※本コラムは2026年3月時点の法令・情報に基づいて作成しています。個別の事情によって適用が異なる場合がありますので、具体的なご判断は弁護士・税理士など専門家にご相談ください

関連記事

迷ったら、いちばん
ラクな方法で聞いてください

山口 翔太

売るか決めていなくても大丈夫。
まずは30秒で悩みを
整理してみませんか?

中村 靖志

皆さまから “話しやすい” と
言っていただける
空気づくりを心がけています。

お電話からのご相談
03-6915-6658

営業時間:10:00-18:00 定休日:火曜・水曜

 
不動産売却の流れとポイントが
一冊で分かる
売却ガイドブックをプレゼント

手続き・費用・注意点を一冊に整理。アンケートにお答えいただいた方に無料でお渡しします。

公式LINE登録で“売却の地図” を今すぐGET!